「余命2年」などと、医師が脅かすのにも理由がある
2017年10月18日 ※旧・アメブロ投稿記事です
SNSニュースや医療系バラエティー番組で、芸能人が「1日1食で過ごしている」だの、だれかが突然死しただの、がんに罹患して「余命2年」と言われたのに5年経っていまも元気だの、さまざまな情報が飛び交う時代。
そんななか、特に印象的なのは、そんな芸能人に医学の見地からアドバイスを送る医師の存在だ。基本的に「辛口のコメント」が多い。これは私たち一般人が病院で受診した際も同様だ。
「いまの生活を続けて入れば、とても70歳までは生きられませんよ」という医師の諫言はいいほうで、健康診断で検査を受けたときに「ここはもう、がん化しているかもしれません」などと脅す医師(笑)もいる。
先生のキャラクターもあるが、しかしこれには理由があって、医師・看護師は大学や専門学校で基礎の医学を学ぶ際に「最優先すべきは、患者の命をつなぎとめること」と教わる。つまり“生命ファースト”の原則を守っているのだ。
そのため、過去に堂上が取材した総合内科専門医は「うちは75歳以上の高齢な患者さんが多いので、ちょっとした食欲不振や手足のしびれでも、年のせいにせずに、ひょっとしてその背後に生命を脅かす原因(疾患)が潜んでいないか? を神経質なまでに追求します」と語ったものだ。
そうした「まずは生命の安全を確かめよう」「健康寿命を伸ばそう」という姿勢でいるため、常に最悪の状況を想定しながら診察に臨むのが医師という存在である。
脅かすように「このままでは平均的な終末年齢を迎えるのは難しく、下手をしたら5年以内に生き死にの病気にかかりますよ」と言うのは、そうした最悪の事態を避けるための諫める言葉だったりする。
また別の医師は「患者さんによっては、強く言うこともあります。それは今後予想されるリスクをちゃんと説明するというインフォームドコンセントの意味もあります」とも。
そうしたことから、例えばテレビの健康バラエティー番組で「あなたの余命はあと4年」などと診断結果が出ても、つまり想定しうる最悪の事態は、最短で4年で起こりうる、という受け取り方ができる。さらに、それで安心して現在の生活を続ける人が出ないように、という配慮も働いて、自然に脅し口調的になる、というわけだ。
なお、テレビ局は基本的には視聴率にしか興味はないので、「どれだけ視聴率が取れるか、SNSで拡散され、クチコミに乗りやすい内容にするか」をメインテーマとしていることも、覚えておいて損はないだろう。
なにしろ堂上はテレビ局取材から、この記者人生をスタートした人間ですから。