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入れ歯や義歯を作る人がもうすぐいなくなる!? 2028年問題

2017年10月23日 ※旧・アメブロ投稿記事です

近ごろはテレビで街中の人をつかまえて、タレントが“いじる”企画も増えている。

それはそれで面白い。

しかし、その際に気になっているのが、街中でインタビューした中高年の、特に男性の前歯がないことだ。

 

見てくれが悪いのはひとまずおくとしても、前歯が欠けた状態で放置しているということは、虫歯や歯周病に冒されやすい奥のほうの歯はもう全滅状態ではないか? ということを危惧せざるを得ない。

欠けている歯は1本なら義歯、複数ならば入れ歯という治療を受けることとなる。

 

ところでいま、この肝心の義歯・入れ歯を作ってくれる職人が減少を続け、現時点でもたいへんな人不足に歯科医療現場が悩まされているという現実は、あまり報道されていない。

実際のところ、歯科技工士の5割が50歳代で、例えば横浜では技工士専門学校の3校のうち、1校が廃校、残る2校も定員40人に対してわずか学生8人という状況と聞いた。

 

保険適用も含め、10年後の2028年には自費で高額なものを作りたくても、肝心の“作り手”がいないので、どうしようもない、という現実に直面することとなる。

ちなみに2028年としたのは、来年18歳を迎える人口がガクッと減り、すでに各種専門学校も定員を大幅に割り込む見込みという2018年を起点としているからだ。

 

このことに危機感を持つ。志の高い歯科医師もけっこういるけれど、医療系マスコミではあまり報道されていないようだ。

作り手がいないのだから、当然高価になる。保険適用分ももちろんだ。

 

それ以上に堂上が懸念するのが、技術力の低下である。

 

このままでは、現実に義歯や入れ歯を使用している人でなければわからない不具合に対応してきた腕利きの職人の技術が失われてしまう。

その結果、どうなるかというと、現在でもそうだが(うちの母も)、技術力の低い人が作った入れ歯で我慢するしかないのだ。

これは確実に健康寿命を縮めるので、厚労省も含めた歯科医療業界の全体でなんとかしてほしいと思う。

 

なぜ健康寿命を縮めるのか? それは口腔衛生を保てないからだし、十分な咀嚼が行われないことによる外部栄養素の体内への取りこみ不全という事態が起こるからだ。

さらに、高齢者にとって咀嚼は脳への刺激による認知症の予防効果もある。

 

歯科技工士不足は、かなり重要な問題だと思うのだが、この人不足を改善するには歯科医療の現場だけではなく、世論が危機意識を持たなければ大きく社会として対応することはできない。

だから早目に問題点を警鐘する必要があるのだ。

 

例えばいま、高齢な方が入れ歯をどのように使用・扱っているか、皆さんはご存じだろうか?

「食べるときだけ着けています」という人が多いのだ。

その理由は、「合わないから」、「装着して食べると違和感がある」、「味覚がにぶくなる」、「温度が感じられなくてまずくなる」というものから、「時々痛みを感じる」、「すぐ外れる」など。

 

その原因は、保険適用の安い入れ歯を使用しているからだ。

もちろん、保険適用のものでも、意識の高い歯科医師と熟練の技術を持った歯科技工所がタッグを組んで作った入れ歯は、そのほとんどが満足されるものだ。

しかし、こうした“理想のタッグ”がこのブログをご覧になっている街で実現されているかどうか? きわめてレアではないだろうか。

 

そもそも熟練技師がどんどん引退年齢を迎えているご時世なのだ。

しかも、入れ歯技術に優れた高齢な歯科医師もどんどん現役引退している。

 

こんな状況で10年後の入れ歯はいったい、どうなってしまうのだろうか?